この記事では「コンプレッサーとは何か?」を理解することを目標にします。
DTMをやる上で、避けては通れないコンプレッサー。
初心者にとって効果が分かりにくく、大きな壁となります。
この記事が少しでも助けになれば幸いです。
①コンプレッサーのはたらき
コンプレッサーの仕事は
「大きい音を小さく、小さい音を大きくする」ことです。
これは例えば、ボーカルにおいて効果を発揮します。
曲にもよりますが、ボーカルはサビで音量が上がることが多いです。
サビとサビ以外の音量差が大きいと、埋もれたり浮いたりして聴きにくい音楽になってしまいます。
そこで登場するのがコンプレッサーです。
コンプレッサーで「大きい音を小さく、小さい音を大きく」することで、ボーカルの音量差を抑えることができます。
これが、コンプレッサーの最も基本的な仕事です。
この記事では、ここに焦点をあてていきます。
②コンプレッサーのつまみ
Cubase付属のコンプレッサーには、以下のつまみが搭載されています。
他にもつまみはありますが、この記事では絶対に抑えるべき5つだけに絞って解説します。
- Threshold(スレッショルド)…ここで決めた音量を超えた音が、コンプレッサーによって圧縮されます。
- Ratio(レシオ)…圧縮の比率です。音を何倍に圧縮するかを決めます。
- Attack(アタック)…スレッショルドを超えてから、何秒間かけて音が圧縮されるかを決めます。早いと音の立ち上がりが引っ込み、遅いと強調されます。
- Release(リリース)…スレッショルドを下回ってから、何秒間かけて音のあっしゅくを解くかを決めます。早いと音の余韻が強調され、遅いと引っ込みます。
- Make-up(メイクアップ)…出力で持ち上げる音量を決めます。
③コンプレッサーの使い方
以上のつまみを、以下を参考に実際に動かしてみましょう。
- Threshold(スレッショルド)…『GR(ゲインリダクション)』が最大で-6db程度になるように設定します。コンプレッサーを薄くかけたいときは-3db程度にします。『GR』が-9dbを超えると不自然になります。
- Ratio(レシオ)…密度感を出したいときは「4~8」に、空気感を出したいときは「2~4」程度に設定します。高音になればなるほどレシオを低くする傾向にあります。特にボーカルのレシオは「2~3」程度で考えてください。
- Attack(アタック)…アタック感が欲しい場合(スネアやアコギなど)は遅め(20ms程度)に、奥に引っ込めたい場合(ハイハットやコードシンセ)は早め(10ms程度)に設定します。
- Release(リリース)…「Attackの逆」と考えます。つまりAttackが早い→Releaseは遅め(200ms程度)、Attackが遅い→Releaseは早め(50ms程度)ということです。
- Make-up(メイクアップ)…基本的には圧縮した音量(『GR』を見てください)と同じ値に設定します。
④まとめ
コンプレッサーによる音の変化は、楽器ひとつひとつを聴くと微々たるものです。
しかし、処理した複数の楽器を混ぜて聴くことで、コンプレッサーはその真価を発揮します。
「音の分離感」「音の前後感」「音のヌケ」「音圧感」「独自のキャラクター付け」など、コンプレッサーによるミックスへの効果は計り知れません。
是非この記事を参考に、コンプレッサーを触ってみてください。
最後に。
コンプレッサーのつまみに正解はありません。あくまでこの記事は「参考」です。自分の気持ち良い音が正解です!
お読みいただき、ありがとうございました。